用語解説

 

-あ行-

赤羽一門(あかばねいちもん)

古くは陰陽師に起源を持つ人形使いの一族。いわゆる「戦争屋」として、傭兵のようなことを生業にしていた。
一族の者には「紅翼(くれつば)の血」という遺伝的特質が継承されており、優れた人形使いを数多く輩出している。名門とされているが、「戦争屋」ゆえに身分は低く、蔑まれることも多かった。二年前に雷真を残して滅亡している。

赤羽天全(あかばねてんぜん)

雷真の実の兄で、天賦の才を持つ人形使いとして、赤羽一門の中でも大きな期待を集めていた人物。しかし、あるとき突如として牙を向き、赤羽一門を皆殺しにして、滅亡へと追いやった。雷真の討つべき仇敵。

赤羽撫子(あかばねなでしこ)

雷真の実の妹。雷真のことを慕っていたが、雷真が駆けつけたときには、天全の前で命を失っていた。

イブの心臓

あらゆる自動人形(オートマトン)が搭載している《生命》の魔術回路。自動人形(オートマトン)の自我の源でもある。イブの心臓さえあれば、壊れた自動人形(オートマトン)も修復可能。つまりイブの心臓の破壊=自動人形(オートマトン)の死となる。

ヴァルプルギス王立機巧学院

大英帝国の機巧都市リヴァプールにある魔術界の最高学府。世界中から優秀な学生が集まっている。
史学、理学、医学、工学、法学の五学部を持つ総合的な学院であり、校風は一言で言えば「実力主義」。夜会はもちろん、あらゆる場面で実力がものを言う。厳しいカリキュラムが組まれ、ドロップアウトしてしまう学生も毎年少なからず存在する。そのため、学院の卒業資格だけでも出世の材料として十分な武器になると言われているほどの名門校。

エドワード・ラザフォード

19世紀最強と謳われる実力者で、魔術界の最高学府ヴァルプルギス王立機巧学院の学院長。
魔術師としての能力に突出しているだけでなく、権謀術数に長け、英国ならびに《魔術師協会(ネクタル)》からも独立した学院運営を行なっている。

参加資格(エントリー)

夜会には学院の成績上位者100名のみが参加することができる。そのため第一義的には成績上位者100名のみが参加資格を持つことになるが、夜会は徹頭徹尾実力主義のため、参加資格を持つ者が機巧戦闘において参加資格を持たない者に敗れることがあれば、夜会執行部としても選考をやり直す必要がある。故に参加資格は機巧戦闘によって奪取可能であることが暗黙のルールとして存在している。

自動人形(オートマトン)

魔術回路を内蔵し、人形使いの魔力を受けて活動する人形。必ずしも人間の形を模しているわけではなく、実に様々な様態の自動人形(オートマトン)が存在している。共通することは、生命の魔術回路であるイブの心臓を内蔵しているため、自律性や知性を有していること。
一般的にはイブの心臓のほかに、もう一つだけ魔術回路を内蔵しており、それが特性となることが多い。

朧富士(おぼろふじ)

花柳斎ブランドの乙女型自動人形(オートマトン)。軍事演習の際に、演習場の地形を変えてしまうほどの圧倒的な力を見せつけ、「怪物」とも呼ばれているが、硝子からは美しくないという理由で失敗作扱いされている。しかし、この朧富士を制作したことで、硝子の名は広く知れ渡ることになった。



-か行-

手袋持ち(ガントレット)

夜会の参加資格を持つ学生には、学院から特別な手袋が授与される。パールホワイトに輝くシルクの上に、金糸で持ち主の登録コードが刺繍されている。この手袋を持つ者は、夜会の参加資格を持つ者として、手袋持ち(ガントレット)と呼称される。

機巧都市リヴァプール

大英帝国にある港湾都市。ロンドンから直通の列車で半日ほどの距離に位置する。マンチェスター市で生産された大量の木綿を、世界中に送り出すための前線基地としての役割を果たす。帝国の誇る貿易港にして、ヴァルプルギス王立機巧学院を擁し、今やケンブリッジに次ぐ学術都市としても名を馳せている。

キングスフォート家

大英帝国の政界における重鎮。当主は貴族院の有力議員で、諜報機関とも強い繋がりを持っている。



-さ行-

戦隊(スコードロン)

夜会順位第1位のマグナスが引き連れている六体(火垂、玉虫、鎌切、蜻蛉、姫蜘蛛、蜜蜂)の乙女型自動人形(オートマトン)を称してこのように呼ばれている。優れた人形師でもあるマグナス自身の手によって作られた。六体のうち、火垂については、雷真の妹である撫子とそっくりの外見をしている。



-た行-

知覚の共有

優れた人形使いが特定の自動人形(オートマトン)を使役する際に行使できる魔術。使役する自動人形(オートマトン)と知覚を共有することができるというもの。ただし、知覚を共有している間は、人形使い自身が無防備になってしまうため、メリットと同時にデメリットも大きい。

Dワークス(ディバインワークス)

ここ数年で急激に有名になった自動人形(オートマトン)の機巧工房。魔術回路の開発なども手がけており、五年前には《音圧操作(ソニック)》の魔術回路で特許を取得。英国陸軍の次期主力コンペにもノミネートされている。
しかし、研究のためならどんなことも厭わない強引さが原因なのか、黒い噂が絶えない。社名は《神の御業》を意味している。



-な行-

人形使い

自身の魔力をもって自動人形(オートマトン)を操り、使役する魔術師のこと。
近代魔術の主流である機巧魔術(マキナート)の担い手。機巧魔術(マキナート)の軍事利用が進むに連れて、人形使いの需要は爆発的に増加し、ヴァルプルギス王立機巧学院を卒業した人形使いであれば、各国軍隊からのオファーが絶えない。魔王(ワイズマン)ともなれば、どの国の軍隊であっても将官待遇で迎えられるほど重用されている。

念動

自律性が乏しい、もしくは自律性の存在しない人形を操る高等魔術。人形使いの魔力のみで全てコントロールしなければならないため、相当な鍛錬を積んだ人形使いでなければ、腕一本さえ満足に動かすことができない。



-は行-

禁忌人形(バンドール)

生きた人間の一部(例えば臓器など)をパーツとして使用した自動人形(オートマトン)のこと。魔術師倫理規定に違反し、その製造は文字通り禁忌とされている。ある程度であれば自前で魔力を供給できるため、自律性が高く、使い手から離れて単独行動も可能。ただし、生体パーツを長期にわたって維持するのは難しく、個体によってはおぞましい特性を持つがある。

強制支配(フォース)

自律状態にある自動人形(オートマトン)を強制的に操ること。強制支配された自動人形(オートマトン)は、己の意志とは無関係に、ただ命じられたことのみを実行する。

約束された子ども(プロミストチルドレン)

生まれつき魔力親和性に富み、大きな魔力を持って生まれる子どもたちの総称。外見に共通の特徴を持つことが多い。

ブリュー家

大英帝国が誇る機巧魔術(マキナート)の名門だったが、とある事件によって爵位を剥奪され、取り潰しとなってしまった。



-ま行-

機巧魔術(マキナート)

生命の魔術回路《イブの心臓》の発明によって生み出された魔術の概念を塗り変えた近代的詠唱法で、一般的にはマキナートと呼ばれている。
魔術回路を内蔵する自動人形(オートマトン)を用いることで、従来よりもはるかに早く、精確かつ強力な魔術を行使することができるようになった。これにより機巧魔術(マキナート)は魔術体系の根幹を成す存在となり、高度に発達していくことになる。

魔活性不協和の原理

異なる二つの魔術は同一のボディに共存できない、つまり魔術の活性は協和しないという機巧魔術の根本的な原理のこと。
この原理のため、複数の魔術を使用できる自動人形(オートマトン)は誕生していない。簡単に言えば、自動人形(オートマトン)が搭載できる魔術回路は一つだけで、同じ標的に「複数魔術の重ねがけ」をすることはできないということ。

神性機巧(マシンドール)

人形使いから魔力を供給することなく、無制限に魔術を行使することができる人形にこと。
自動人形(オートマトン)とは異なり、完全な自律性を持つ。人形よりも魔術の制御能力が劣る人間と稼働するために人間が必要不可欠である人形の双方を超えた存在=《機巧(マシン)の人間(ドール)》と言う意味で、《人間(神)に作られた人間(人形)》を意味する。
神性機巧(マシンドール)は自らも自動人形(オートマトン)を操ることができるため、「魔活性不協和の原理」さえも超越すると言われている。神性機巧(マシンドール)を目指すことは、禁忌人形の製造をも超えた魔術師最大の禁忌とされている。

魔術回路

複雑怪奇な魔術儀式を擬似的に再現する機巧のこと。
魔力を流すたけで魔術的効果を発揮することができる。ただし、性能を十分に発揮するためには、使い手の習熟と才能が必要で、通常は回路を内蔵する自動人形(オートマトン)が制御をサポート、もしくは代行する。
一般的に自動人形(オートマトン)は、生命の魔術回路《イブの心臓》と、もう一つそれぞれ独自の魔術回路を内蔵し、その魔術回路によって様々な特性を付与されることが多い。

《魔術回路》
・金剛力(こんごうりき)
自己領域内の単子(モナド)を超高度物質化することで、筋力を数千倍まで高めることができる能力を持つ。その結果として攻撃力、防御力が飛躍的に向上し、近接格闘において無類の強さを誇る。

・魔剣(グラム)
物質の生成と消滅を司る能力を持つ。存在の有と無を切り替えることができ、滅元素(バニストン)によって物質を消滅させるのみならず、魔術回路を内蔵した 自動人形(オートマトン)は自身の質量を増大させることができる。

魔術師協会(ネクタル)

魔術師の倫理を統制する国際機関。教父(ファザータイム)を頂点とするピラミッド型のヒエラルキーを持ち、その影響力は各国に及ぶ。灰十字(クルサーダ)という実働部隊を持つ。



-や行-

夜会

機巧魔術(マキナート)の最高学府であるヴァルプルギス王立機巧学院において、4年に一度の魔触の年に開催される魔王(ワイズマン)を選出するための一大イベント。正式には《ヴァルプルギスの夕べ》という。
学院の成績上位者100名が機巧戦闘を繰り広げ、魔王(ワイズマン)を目指す。魔術師たちが覇を競う、血塗られた闘争の宴とも称される。
対戦形式はロイヤルランブル(まず1日目に100位と99位が戦い、決着の有無を問わず、1日ごとに次の上位者が参戦していく)で、常に一対一とは限らず、上位者は下位者に対するサボタージュ権(下位者が交戦フィールドに駐留する一時間以内に現れなければその日はお流れとなる)を持っている。
勝利条件は相手の手袋の奪取。ただし相手を死に至らしめた場合は、いかなる理由をもってしても参加資格を剥奪される。



-ら行-

十三人(ラウンズ)

手袋持ち(ガントレット)最上位のトップランカーを特に敬してこう呼ばれる。シャルロットやロキなどが名を連ねている。



-わ行-

魔王(ワイズマン)

夜会によって選ばれる同世代で最も優秀な人形使いの称号。国際魔術憲章ならびに魔術師倫理規定の埒外となり、あらゆる制限から解放される。